大きな物語/小さな幸せ

若者の自殺率が高いのは大きな物語がないから、と言った人がいるらしい。なんとまあ。むしろ、あらゆる圧力は高まってると感じるけれども。

 

自分の足元も見えないのに、大きな物語に踊らされてたまるかい。そんなもののために生きてない。

 

美しい空や、気持ちの良い風や、季節ごとにほころぶつぼみを愛で、好きな人たちとたくさんはなして、知らないことを知ったり気づいたりして面白がる。そういうのを幸せと呼ぶんだ。それができないところになにかを積み上げても、何にもならない。

 

何かを目指して研鑽するのも面白い。でもそれを達成してしまったら?次々と目標が現れるかもしれない。でも、それも達成してしまったら?

 

信じることと諦めることはたぶん紙一重だ。この世は、複雑さを整理したり不可能を克服したりすることをいったん諦めなければ受け入れられない。最初から諦めてはいけないけれども。でも、その諦めなしに何かを信じることはできない。たぶん。一度そこにたどりついたら、些細なことを愛でたり面白がったりできるようになる。その上で物語が生まれるなら、それは素敵なことかもしれないね。